Nato Coles インタビュー!

2013年3月に来日のNato ColesのインタビューをBrowntroutのみそ君がしてくれましたのでUpします。

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インタビュー:みそBrowntrout 訳:Yoichi Snuffy Smiles

「イントロダクション」

昨晩夢を見た。俺はミルウォーキーにいて、日本はすぐそこ、湖の向こう岸にあった。向こう岸と言っても、ウィスコンシンからミシガンまでのように50マイルちょっとあるとかいうことはなくとても近いんだ。日本へ自転車で渡れる橋があった、多分半マイルくらいの長さ、有料だけど2ドル半くらい。俺は誰かに言った「なあ、なんで俺は日本へ飛行機で行くんだ?車で行けるじゃん」と。しかしながら、橋は日本の本州の西海岸に繋がっているので、結局、着いてから山や多くの町を運転しなくてはならないことや、有料道路や何やらのことを考えてやはり元のままのプランに従い飛行機で行くことに決めた。その後、HOLYSHIT!のエリックをスーパーマーケットで見つけた。泥酔していた。超クールな夢だった。

さて、以下はインタビューに対して興味深い回答をしようとした結果だ・・・俺は常に喋りすぎる。そして分けが分からなくなってしまう。全く!

1)日本のツアーは二回目になると思うけど、日本のイメージやシーンの印象を教えてもらえますか?また思い出話などあれば。

ハーイ、インタビューしてくれてありがとう。Yoroshiku! 2006年にthe Modern Machinesで日本に行った時は日本に対する知識もほとんどなかったんだ。イメージしていたのはたくさんのネオンライトや近代的都市、クレージーなテレビ・ショー、巨大なロボットと巨大な怪獣の戦い、そして富士山くらい、だけど実際に日本に行って多くを知ったよ。2013年の今でも思い続けるのはどんなに小さな部分も何か有用なことに使われているってことかな。まあ、そんなこと焦点を当てるのは変かもしれないけど?綺麗な国、緑が多く起伏に富んでいる。アメリカの大西洋側の北西部、シアトル周辺に似ている感じだった。また、山や森でないとこはどこでもにぎやかだった、人が多かった、大きな都市は特にだけど小さな町でも。

日本のパンク・シーンの皆に会って、一緒にツアーしたthe Becauseや他のバンド、お客さんと友達になれたのは本当に良かった。皆が親切で、俺らは人々が俺たちを王様のように扱ってくれてるとさえ感じたよ。ミルウォーキーから来た3人のアホどもにすぎないのにさ。ライヴはとても楽しかった。一緒にやったバンドで良くないバンドはいなかったよ。何処で誰とやったか詳しくは覚えていないけど全部のバンド良かった。Blottoを彼らの地元で観れたのは最高だったね。

いつだってツアーの面白い話をひとつ選ぶのは難しいね、いつだって細かい面白い話が幾つもあるものだから・・・。俺らは古い寺に行ったらそこに大きな鐘があったんだ、そして、その鐘は鬼とか悪魔とか何か忌まわしいものから自分を守るために鳴らすべきものだろうと俺は思ったし今でも思っているのだけど、俺がその鐘を突いて鳴らしたら、他の二人のthe Modern Machinesのメンバーはとてもきまり悪がったんだ!なぜなら鐘の音はとても大きく寺の中はとても静かだったから。もしかしたら一緒にいた日本の連中も恥ずかしかったのかもしれないけど彼らはそれを表情には表さなかったね。あと小さな思い出としては、ツアーも終盤の頃にジョン・ハンソン(ドラマー)とthe Becauseのドラマーのアキラがレストランの駐車場で相撲をとったことかな。ハンソンは歯が立たなかったけどね。超笑えたよ!あと、俺らが行った中で最も小さな町、確か「Fujiya」だと思うけど、通りをくぐる「魚のトンネル」があったとこ・・・(註:新潟の小千谷です)、まあ、とにかく、そこの小さなコンビニで俺がビールを物色していたら、年配の人が「ビール、ビール、ビール」と歌いながらやってきてビールを冷蔵庫から取り出していたことがあって、今でも俺はその歌を口ずさむことがあるんだ。俺はツアー日記をつけていたのだけど、それは何処かの箱かなんかにしまってあるはずで、多分、それを探した方がいいのだろうけど・・・。このインタビューには手遅れだね!

2)あなたは10年近く多くのクールなバンドをやっているけど、どんどんと音楽性としてはR&Rへの傾倒が深くなっているような気がします。それは何故ですか?大きな理由などはあったの?

お世辞でも誉めてくれてありがとう。質問に関してだけど、そういうこと聞かれたのは初めてではないよ。俺は人生における創造性(自分の音楽性)の方向をコントロールしているってわけではなく、それは上手く言えない内なるエネルギーの源のようなものから生じるんだ。ただ確かなのは、あらゆる偉大なパンク・ロックと共に、俺はいつだって昔のロックン・ロールやR&B、そしてさらには昔のカントリーやブルースも好きだったってことだ。多分、やっとそういう音楽をうまく自分の曲に取り入れた曲を書くことができるようになったのだろうね。おお、俺は自分の創造性の方向を少しコントロールできるようになったってことだな・・・、分かりやすい比喩で言うと俺はソリに乗っていて、丘をトップ・スピードで滑り降りている、少しだけ向きを変えることはできても停まって辺りを見回すことなんかはできないってこと。思うに、the Modern Machines時代にも、Radio TowerとかTaillightsなど何曲かは俺が今書きたい、演奏したい曲の大部分としっくりくるような曲だったと思うよ、けど、the Modern Machinesは常に全てがもっと速くラフだった。それで良かったんだ!でも、それはダニーやジョンと一緒に演っていたからこそ、彼らのプレイ・スタイルによってこそのことだったんだ。別のミュージシャンと演るとなると俺はまた違う感じでやることになるんだ、特に違うドラマー、ベーシストとやるとなるとね、リズム隊はとても重要だからね。俺はthe Modern Machinesをやっていたの同じ時期の2004年、2005年にミルウォーキーでサイド・プロジェクト的なthe Silver Sunsというバンドをやっていたけど、そのバンドはかなり今やっている音と近かったね。だから、今やっているような曲は元々俺の中の何処かに存在していたってことだろうね。

3)今はソロ名義でやっている理由は?

ミネアポリスに越してバンドを始める時、新しい曲や古い曲を、メンバーの誰もが望まないものに契約しさせられているかのように感じることなくやれればと思った。「自分の名前をバンド名につけるなんてマジまぬけだよな、だって他のメンバー紹介しなくちゃならないのだから」ってステージ上でジョークを言うこともあるのだけど、いつだってバンドにつきものの、曲作りやバンドの方向性についての口論みたいなものはうんざりで、だから、結局は俺のやりたいようにやるんだということを分かってくれている連中とやりたいと思ったんだ、受身だろうがけんか腰だろうが相互の誤解みたいなものは嫌だから。あとひとつ、俺が曲のベーシックと歌詞を書く一方でthe Blue Diamond Bandは曲を完成させる、アレンジやらなんやらは一緒にやる。だから俺が全てを取り仕切るってわけでは全くないんだ。

4)今回のバックバンドの名前に何か由来はある?

ドラマーのローガン・スタンさんと俺はミルウォーキー出身で今は二人ともミネアポリスに住んでいる。俺は野球がとても好きで日本のプロ野球についても少し齧っているんだ。多くのアメリカ人にとって理解しづらいのは日本ではチーム名がスポンサー企業の名前を冠しているってことだ(広島カープは例外。だよね?)アメリカではチーム名は町の名や州の名がついている、ミルウォーキー・ブルュワーズのようにね。だから、アメリカ人が「日本ハム・ファイターズ」という名前を聞くと、「ハム・ファイターズ?なんでそんな名前なんだ?ハム・ファイターズってなんだ?なんでハムと戦うのだ?それとも選手はハムからできた戦士達?」とか思うんだ。アメリカ人は日本ハムっていう企業を知らないからね。そんなことが俺にとってはとても面白い。で、ミルウォーキー名産のブラットワースト、略して「ブラット」というとても有名なドイツ・タイプのソーセージがある。なんで、「日本ハム・ファイターズ」をもじって俺らは「ミルウォーキー・ブラット・ファイターズ」と名乗ることにした。まあ、ミルウォーキー・ブラットという企業はないのだけどね。

5)普段はどういう所でライヴをやっているの?よく一緒にやっているバンドはいますか?

俺たちは色々な種類の場所でやるけど、ほとんどの場合に共通しているのは、パンクやアンダーグラウンド・ミュージックにマジで入れ込んでいる人がそれらのショーの企画に関わっているということだね。だから、俺らはミネアポリスの大きなクラブでやりもすれば、アトランタの小さなバーやニュー・ブルズウィックの地下室でやったりもする、そして、皆が楽しんでくれれば俺らも楽しい!望まれていないとこでやるってことはほとんどないんだ。

このインタビューに答えている、まさに今夜、ミネアポリスのダウンタウンのバーで、The Gateway DistrictとThe Frozen Teensとショーをやるのだけど、彼らこそこのツイン・シティ周辺で俺がとても好きなバンドだ。彼らとは良く一緒にやるよ。また他にはThe Slow DeathやJesse Thorsonの別バンドPretty Boy Thorson and the Falling Angels(Jesseはその時によってどちらかのバンドに力を入れていて両バンド間を行ったり来たりしている)とも良くやるね。珍しいことだけど、ツイン・シティ以外の場所では特に決まったバンドと一緒にやってないな。でも何処へ行っても前から見知った顔や友達には会っているし、また新しい出会いもあるよ。テキサスのOccult Detective Clubという最高のバンドとスプリット7インチを出すのだけど、それが出た際には彼らと一緒に何回かやるだろうね。このインタビュー読んでいて、まだ彼ら聴いたことない人は早くチェックした方がいいぜ!

6)NATOから見た現状のアメリカのシーン(どういうバンドが人気で、レコードがどれ位売れるのか)はどう?

これは俺個人の意見だけど、今のU.Sシーンは言ったら横ばい状態って感じかな、NOFXやDilliger Fourのようにずっとやっていて10年、15年前にビッグだったバンド以外に超人気あるようなバンドはいないね。でも、例えばOff With Their HeadsやBanner Pilotやthe Marked Menなどのバンドは結構な量のLP/CD/ダウンロードを売っている。どれも良いバンドだよ、特にthe Marked Menは2000年代の俺のお気に入りLPを2枚ほど出しているしね。でも、俺が最近マジで好きなTenementやBig Eyesやthe Future Virginsなんかはもっと小さな規模のところで成功している感じだね。Green Dayの後を追って10万枚もアルバムを売ることができたような時代とは違うけど、それだからと言って、マジでクールなパンク・ロックを聴く人がいないとは誰も言わないよ。

7)ダウンロードクーポンについてはどう思う?

何であれ人々が手軽に音楽を聴き楽しめることは良いことだと思う。そういう意味でダウンロードコードは非常に役に立っていると思う。でも自分に関して言えば、いつだって、そのアーティストやバンドが俺たちにこういう形でアルバムを聴いて欲しいと望んだ形で聴くことを好むね、それに俺はアートワークが好きだし、LPジャケットやCDケースを抱えてステレオから流れる音との繋がりを感じるのが好きだ。誰もが始終そのように音楽を聴くことは無理な相談だけどね。ダウンロードがなかった時だってそうだよ、そうでなければ誰もラジオなんか聴かなかったのだろうから!でも、ファンのためにアルバムを作るということは特別なことなんだ。それは単に音楽ファイルのキロバイツとかいうものではないんだ。だから、もしバンドが自分らの音楽を大切にし、長く活動を続けるのなら、モノホンのアルバムというものを作るだろうと俺は思う、それがLPであれCDであれ、何かこれから発明される未来のフォーマットであれ。

8)NATOが住むミネアポリスはどんな街?出身地であるミルウォーキーとの違いは?

ミネアポリスには小さな湖がたくさんある。ミルウォーキーにはただひとつの大きな湖、ミシガン湖だけ。ミシガン湖の湖岸は海岸のようだ、水は塩水ではないけど。それとミルウォーキーは確実にミネアポリスに比べて西部っぽさがない。ミルウォーキーは東部っぽい。シカゴや五大湖、昔のアメリカ中西部の工業地帯の雰囲気だ。ミネアポリスは平原の町だ。鉄道と河の町でもある。そして、東部っぽいと同様に西部っぽい。あと、建物がそれほど近接して建っていない。加えて、街角のバーがミルウォーキーほど多くない。もっとも、俺の住んでいる地域には幾つかあるから良いけどね。

君は多分音楽シーンやライフスタイルについて知りたいのかな?そういう点での最大の違いは、先にも言ったけどミルウォーキーは町として東部っぽい、そしてシーンもそうだ。デトロイトやメンフィス、オハイオ・スタイルのガレージ・パンクが人気だ。ミネアポリスはもっと幅広いよ、ガレージ・パンクだけでなく、ポップ・パンクやゴキゲンなスラッシュ・HCもとても人気がある。あと、ミルウォーキーにはあまり良いクラブやショーのための場所がない、ミネアポリスのシーンはもっと大きいよ。そしてお金も動く。良くも悪くもだけど。ミルウォーキーは常に俺のホームだけど今はミネアポリスを楽しんでいるし、ここのシーンは最高だよ。

9)日本のビールは好きですか?NATOの住んでいる地域にはビールの蒸留所がたくさんありますか?

ビールが好きです。終わり。2006年に日本へ行った時は多分アサヒの黒生を一番飲んだと思うけど、まあ大抵のビールはおいしかったよ。ツイン・シティでも品揃えの良い酒屋ではキリン、アサヒ、サッポロは買えるよ。俺は最近はマイクロ・ブリュワリー、いわゆるクラフト・ビアのファンだね。21歳の頃はクソまずいビールばっかり飲んでたけど・・・、今思うと何やってたのかと思うよ!今はおいしいIPA(インペリアル・ペール・エール。英国スタイルのアルコール度高いビール)が一番だね、あとはどんなビールであろうとおいしくて、多分レシピを見ながら5分以上かけて作られたと思えるようなビールが好きだね。マイクロ・ブリュワリーはミネアポリスにもたくさんあるよ。でも、HammsやSchmidts、そしてGrain Beltなどのツイン・シティの偉大な歴史を持つ大きな醸造所はもう醸造所としては機能していないんだ。建物はまだ残っているけど、事務所や倉庫にになったか、ただの空家になっているかなんだ。でも今でも見るだけで歴史を感じるけどね。

10)オススメの音楽、映画、本、食べ物等を教えて下さい。

もちろん!これは簡単な質問だ。好きな音楽はHusker Du、the Replacements、the Ramones、Tom Petty、 Bruce Springsteen、 the Reigning Soundと全てのGreg Cartwrightがやってきたバンド、Johnny Cash、the Descendents、the Ergs!、the Rolling Stones、Robert Johnson、Towns Van Zandt、そして”Weird Al”Yankovic。それとYour Pest Bandは超クールだ!彼らをツアーで何度も観れるのは最高だ。好きな映画は「マッド・マックス2」、「スパイナル・タップ」、「ハスラー」、「ビッグ・リボウスキー」、「夕陽のガンマン」、そして「プリンセス・ブライド」。最近5年で一番良かったのは「ノー・カントリー」だ。好きな本は「トルティア・フラット」他スタインベック作品、Joe Posnanskiの「The Soul Of Baseball」、ヴォネガットの「チャンピオンたちの朝食」、多くの歴史書と評伝、例えば昔の大統領リンドン・ジョンソンに関しての何冊にも渡るRobert Caroの作品やRoy Jenkinsのチャーチルの評伝、Nick Toscheのジェリー・リー・ルイスの評伝「Hell Fire」など。最近はシェイクスピアにハマっているよ。ちょうど「タイタス・アンドロニカス」を読んだとこなんだ。これはとても残忍な戯曲だよ。超過激だ。俺の最愛のシェイクスピア作品ではないけど。なぜなら会話と筋がみえみえで薄っぺら(「オセロ」、そして多分「テンペスト」もそうかな)だから、でも、とても過激なので、もしシエイクスピア好きなら手に取る価値はあると思うよ。あと、スティーヴン・キングの小説も好きだよ、お高い文学評論家は彼を相手にしないこともあるけどやっぱり面白いよ、特に「ダーク・タワー」はね。新聞を読むのも好きだけど、最近はアメリカの政治は政治家の論争も姿勢表明も最悪で馬鹿げていて、読んでいると頭痛くなるのですぐにスポーツ欄で野球の春季キャンプの記事を読むばかりだね。ブルュワーズ頑張れ!好きな食べ物はメキシカン・フード、タコスやブリトー他、飲み物はコーヒー、IPA、そしておいしいウィスキー。

11)最後に今回の日本ツアーに向けて一言お願いします。

また日本に行けることがどれほど楽しみか言葉にすることはできないよ!2006年もアメリカに戻りたくなかったのだから・・・。また今回も帰りたくなくなるのだろうな。T-Boyとサトル(註:YPBのベースの人)、そしてローガンと一緒に演るのはゴキゲンだと思うよ。前のツアーでの友達に会うのも楽しみだ、でも、もし名前を覚えていなかったらゴメンね、俺は人の名前を覚えるのがとても苦手なんだ!俺らは新しい曲も演るし古い曲も演る、the Modern Machinesの曲も1、2曲やると思うよ。日本のレコード屋をチェックするのも楽しみだ。唯一残念なのはこの目で日本の野球の試合を観られないだろうことだけだよ。でも、いつかまた日本に戻ってきて、願わくはその究極の望みを叶えたいな。とにかく、ライヴで会おう!Konbanwa & Kanpai!


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